「・・・まあ、『未来への夢』は『過去の美化』へと転化しがちなものなんだが、
あんまり時間も無いんで(こればっかりやってられんからな)本題に戻ると
結局、彼はそのどれ一つとして叶えることはできなかった訳だ。
『持てる能力を一つ事に集中さえしていれば・・・』
己の過去を解析し (真偽はともかくとして) そのような結論に至った彼は
Web分野に注力しようと決意する。
・・・しかし、一口にWebと言っても まあ色々ある訳でね。
目標を絞ったつもりが、却ってやりたいことが増えてしまった。
八方美人的性格の彼はその何れをも捨て去る事ができなかった。
このままでは思春期の轍を踏んでしまう。 ・・・彼はそう考え、
自己のペルソナをスタックに分割する事にしたという訳だ」
「『二兎を追う者は・・』 て諺、日本人なら大抵知ってるよね?」
「マトモな教育を受けられなかったか、余程のモテ男君だったかのどちらかだな」
「彼のペルソナはモチベーションベクトル毎に以下のように分割された。
( 夫々に異なる合成された記憶をインプラントされて )
『名を売りたい』 という願いは社長に、
『美しいものを創りたい』 という願いはデザインに、
『新しいものを造りたい』 という願いは開発に、
『困ってる人を助けたい』 という願いはCIに、
そして、『友達が欲しい』 という願いは営業に、というように」
「・・・・」
「お、俺は友達が欲しいとか思ってないって! ///L///」
「では、経理の貴方は? ・・そして、調査部の彼女は?」
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